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武田氏館西曲輪跡(山梨県甲府市古府中町) [他県の城館跡]

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 武田氏館跡(躑躅ヶ崎館跡。国指定史跡)主廓の西側に築かれたのが西曲輪です。写真は水堀の南西から撮影した西曲輪の土塁です(2022年9月4日、GRDIIIで撮影)。
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 写真の左に見えるのが西曲輪で、正面に見えるのが主廓(中曲輪・東曲輪)です。西曲輪は東西1町(約109メートル)、南北2町(約218メートル)の長方形の曲輪となっています。西曲輪の北と南には小口が設けられています。写真は南小口の前の橋の上から東方向に撮影したものです。西曲輪の西と南、主廓部の南に築かれた水堀は幅が最大15メートル、深さ8メートルにも及びます。
 東にある主廓部とは堀によって区切られており土橋でつながっています。koguchi2.jpg
 写真は南の枡形小口を北から南方向に撮影したもの。遠くに橋(現在は土橋ですが元々は木橋であったと考えられます)が見え、狭い出入り口を通ると方形のエリアである枡形(写真手前)に入ります。
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 枡形を抜けるにはもう一度狭められた出入り口を通らなければなりません。出入り口の先に西曲輪が見えます。このような小口を枡形小口といい、出入り口の周囲を土塁で囲んで枡形を形成してその中央部を通路にすることによって曲輪の防御性を高めています。
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 西曲輪内部を南側から撮影。右手(東)に主廓部との間の堀があります。西曲輪は主廓部の後に増設された曲輪で、1551(天文二十)年に武田信玄の嫡子義信(よしのぶ)が結婚した時に築かれた曲輪であると考えられています。
 以前この西曲輪には旧睦沢(むつざわ)学校校舎(藤村記念館)が移築されていましたが、現在はJR甲府駅北口近くに再移設されています。

■参考図書・資料

『山梨県の歴史散歩』山梨県高等学校教育研究会地歴科・公民科部会編、山川出版社、2007年
『歴史の旅 武田信玄を歩く』秋山敬、吉川弘文館、2003年
『名城をゆく29躑躅ヶ崎館・高遠城』小学館、2004年
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