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秩父札所31番観音院(埼玉県秩父郡小鹿野町) [歴史散歩]


 小鹿野町の観音院(曹洞宗)は、秩父札所31番のお寺です。国道299号線を西に走り、小鹿野町の中心部を抜けてから右折して道を約2.5キロメートル程上って行くと、自動車道が行き止まりになります。右側に仁王門がありますので、そこから参道を歩いて登ります。写真は、岩壁に囲まれた観音堂(1972年再建)で、その左側には「聖浄の滝」があります。滝のさらに左側には、鷲窟磨崖仏(しゅうくつまがいぶつ)があり、埼玉県指定文化財に指定されています。(2006年5月22日撮影)
 観音院は、行基の造った聖観音像を安置したのが起源と言われていますが、一時失われたその聖観音像を、狩猟でこの地を訪れた畠山重忠が鷲の巣から見つけ出した、という伝承があります。家臣の放った矢が、聖観音の力で跳ね返されたのが発見のきっかけということだそうです。
 観音院を囲む岩壁には多くの石仏があるのですが、落石や岩壁崩落の危険があるため、現在では多くの場所が立ち入り禁止になっています。

仁王門。仁王像は、一つの石で造られた仁王像としては日本最大規模で、石材は裏の観音山から切り出されて運ばれたものです。この仁王門をくぐって参道を登り、観音堂を目指します。

参道。石段は約三百段あります。

参道を登りきったところの岩壁。この上にも石仏群があるそうですが、進入禁止です。

高さ約60メートルの「聖浄の滝」。この地が修験道など修行の地であったことがよく理解できます。

鷲窟磨崖仏。18センチメートル程の仏様がびっしりと並んでいたようですが、弘法大師が爪で彫ったという伝説があります。

■参考資料
『訪ねてみたい埼玉のお寺』インデックス、2006年、ごま書房
『埼玉県の歴史散歩』埼玉県高等学校社会科教育研究会歴史部会編、山川出版社、2005年

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コメント 4

儀一

こんばんは、儀一です。

すみません、私にとって観音院って日尾城への入り口という程度の認識しかなかったのですが、このお写真を見て今度は観音院から登ってみよういう意欲が沸いてきました。

そういえば札所28番の橋立堂もなかなか凄いところにあるお寺ですね。
by 儀一 (2006-06-04 23:23) 

i-shinkuro

儀一樣、こんばんは。コメントありがとうございます。日尾城跡については何となく知っていましたが、観音院から登れるということは知りませんでした。確かに、道路の行き止まりの駐車場のところに山道の入り口があったような気がします。天然の要害を利用した素晴らしい山城だそうですね。私も近いうちに登ってみたいと思いますが、ちょっと高所恐怖症なので不安です。こんな私でも登れますか?体力には自信がありますが・・・。橋立堂についてもまだ行ったことがないのですが、時間をつくって訪ねてみたいですね。
by i-shinkuro (2006-06-05 22:35) 

tan-daily_blog_nature

立派な岩壁によく映えますね^^
by tan-daily_blog_nature (2006-06-06 16:50) 

i-shinkuro

もすたん樣、こんばんは!観音堂に覆いかぶさるような岩など、ここは見どころたくさんのお寺です。観音様の御利益を信じて、秩父の寺々をめぐる秩父札所巡りをしている巡礼者もたまに見かけます。
by i-shinkuro (2006-06-06 22:38) 

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