師団坂(東京都北区赤羽台) [戦争遺跡・軍事遺産]
JR埼京線・京浜東北線の赤羽駅から線路を右手に見ながら北に約5分程度歩くと、八幡神社の参道がありますが、そのまま線路沿いに登っていく正面の坂道が「師団坂」です。ちなみに、八幡神社の参道のあたりから軍用鉄道の引込み線が分岐して西のほうに線路が敷かれていました(この線路跡は現在赤羽緑道公園になっています)。
師団坂という名称は、軍隊の組織単位である「師団」からきています。この坂のすぐ上には旧陸軍第一師団工兵第一連隊の兵舎がありました。さらに西には近衛師団工兵第一連隊の兵舎もありました。両隊が工兵隊ということで、「工兵坂」と呼ばれることもあったそうです。
この二つの隊がこの赤羽台に移転してきたのは1887(明治20)年のことで、入営する者や面会に来る人々で、この坂道もとてもにぎわったこともあるそうです。
師団坂を上りきったところ。正面奥に見えるのが坂の終点です。写真の左側が旧陸軍第一師団工兵第一連隊の兵舎があったところで、今は学校(大学・高校など)になっています。
さらに師団坂の道を北西にそのまま進むと、大きな病院がありますが、ここは旧近衛師団工兵第一連隊の兵舎があったところです。
両隊は、近くを流れる荒川に架ける浮間橋をつくるなど地域に貢献し、人々からは好感をもたれていたようです。(2006年9月9日撮影)
■参考資料
『写真と地図で読む!知られざる軍都 東京』洋泉社MOOK、2006年
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