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越畑城跡(埼玉県比企郡嵐山町) [埼玉県の城館跡]


 関越自動車を嵐山・小川インターチェンジで降り、高速道路に沿っている南側の道を杉山城跡に向かって進むと、左手に関越道をくぐる直進ののぼり道があります。この道で関越道の下を通り、すぐに右折してしばらくいくと歩道橋があります。この歩道橋をわたって階段を登ると、そこが越畑城跡(おっぱたじょうあと。嵐山町越畑字城山910)です。左に行くと愛宕神社(二の郭跡)です。城跡とは高速道路を隔てて携帯電話の無線基地施設がありましたので目印になるかもしれません。写真は、城跡の南端にある二の郭を南から撮影したもので、小さな愛宕神社が建っています。
 二の郭跡は約50メートルほどの規模で円形ですが、郭を囲む堀はありません。郭の周囲の一部に1メートルに満たない段差が確認できました。
 この城についての詳細は不明ですが、西に鎌倉街道、東南約1400メートルのところに杉山城、西北に高見山城(小川町)をのぞむ位置にあり、15〜16世紀の戦乱の時代に砦や物見として築かれたと考えられています。 

 写真の左の歩道橋を少し渡ったところに方形の三の郭があったようですが、1977(昭和52)年の関越自動車道の建設で完全になくなっています。写真の中央に少し高くなったところが見えますが(標高約110メートル)、ここが本郭跡でやはり半分以上が削り取られてしまっているようです。この写真にはありませんが、歩道橋の左手(方角で言うと南)に二の郭跡があります。

 歩道橋を渡りきったところから左のほうにあるのが二の郭跡です。写真は二の郭を歩道橋の端から見上げたところです。

 二の郭跡の北側に平らになっている部分があり、その先に本郭があったようです。写真は本郭跡の手前から撮影したもので、高くなっているところが本郭跡の一部です。右側(東側)のフェンスの下が関越自動車道です。
 本郭の西側(写真の左側)に堀や食い違い小口の存在が発掘調査でわかったそうですが、確認できませんでした。というか、最近藪の中に突入していく「気力」がなくなってしまっていますので…。

一の郭跡の一部。(2007年1月28日撮影)

■参考資料
『城郭資料集成 中世北武蔵の城』梅沢太久夫、岩田書院、2003年
『日本城郭大系第5巻 埼玉・東京』新人物往来社、1979年

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ロマーヌス

こんな何気ない所に城跡があったりするんですね。調べていくと面白そうだなあと思いました。
歴史を勉強すると以外なことがわかったりして私もひとり楽しんでたりします。
by ロマーヌス (2007-02-18 09:43) 

i-shinkuro

>ロマーヌス様、こんばんは!中世城館はとても地味ですが、けっこうおもしろいです。土塁や堀などを「土の芸術」という方もいらっしゃいます。
近世城郭の天守閣や櫓、門なども好きですが…。
ではまた。
by i-shinkuro (2007-02-18 22:03) 

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