滝の城跡(埼玉県所沢市) [埼玉県の城館跡]
関越自動車動の所沢インター出口から、国道をさいたま市方面に走り、途中右折して東京都清瀬市に向かう県道(所沢青梅線)に入ります。しばらく走った後「城」という交差点を左折すると滝の城跡(埼玉県指定史跡)に着きます。病院の隣が城跡です。
二の郭跡の社務所の前には、滝の城跡保存会の方の作成した城跡についての解説パンフレットが置かれていました。たいへん重宝しました。この場を借りてお礼申し上げます。
写真は、二の丸と本丸の間の南側の堀跡です。比高約10メートル。上の方に見えるのが二の丸に立つ社務所です。
滝の城(本郷城)は、室町時代前半に大石氏によって築城された城が起源で、のちに大幅に改造を加えられた平山城です。河越夜戦(1546年)によって北条氏が関東地方を制するようになると、大石氏は北条氏照(滝山城主のち八王子城主)を婿として迎えました。こうして、滝の城は北条方の城として、その築城技術をもって改造されることとなったと思われます。
城郭は、崖に面した本郭・二の郭・三の郭を中心とする部分と、北の住宅地にあった方形の外郭の部分と二つの部分に分かれていました。外郭部分が後から追加されたものと思われます。(2006年3月12日)
滝の城跡全景。城の南側から撮影しました。さらに南には柳瀬川が流れていて、南方の防御ラインとなっています。
城の西部にある搦め手。左右に深い堀跡があります。
搦め手の右側。二の丸の西の堀跡は比高約8メートルあります。
二の丸。高さ約1メートルの土塁跡が認められます。
本丸跡と城山神社。奥に土塁の跡が見えます。
本丸跡からの眺望。南に柳瀬川が流れています。JR武蔵野線も見えます。
本丸にある神社の裏。右が、二の丸と本丸の間の北側の堀跡。ここも比高約10メートルあります。手前あたりに小口のあったことが発掘調査でわかりました。ここに木橋が架かっていたかもしれません。
本丸からみた堀と三の丸(写真奥)。
物見櫓跡と思われる高さ約6メートルの土塁です。外郭との境界にあります。
外郭の土塁の一部であると思われまる物見櫓跡。外郭の部分は市街地化していて、かつての面影は全くありません。
三の丸の北の堀跡。比高7〜8メートルの深さがあります。ここは見学通路になっています。
外郭の東側の土塁跡。
■参考資料
『埼玉県指定史跡滝の城跡』滝の城跡保存会
『城郭資料集成 中世北武蔵の城』梅沢太久夫、岩田書院、2003年
『日本城郭大系第五巻 埼玉・東京』新人物往来社、1979年
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