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桶川宿跡の歴史的建造物(埼玉県桶川市) [旧中山道]


 埼玉県桶川市は中山道の宿場町桶川宿を出発点として発展した町です。
 桶川宿跡には、宿場町の面影を残す歴史的建造物がいくつかありますが、この写真の建物は、一般客の宿泊する旅籠(はたご)であった旅館(国登録有形文化財)で、現在も営業しています。
 場所は、JR桶川駅を降りて東に歩くと中山道に出ますが、そこを右折して徒歩約120メートルのところにあります。内部は江戸時代の間取りに近い状態で残っているそうです。

 上記の旅館から中山道を北上し駅前通りを過ぎてから、次の交差点のところまで歩くと、材木店(国登録有形文化財)があります。
 かつては旅籠だったようですが、その面影をよくとどめています。建物の一部は喫茶店にもなっています。

 中山道を少し戻って、道の反対側に渡り、路地を入ったところに写真のような三階建ての土蔵(国登録有形文化財)が残っています。
 桶川宿周辺では、18世紀の終わり頃から紅花(べにばな)栽培が始まり、桶川宿の商人によって京都などに加工されてから出荷されました。樋川産の紅花は「桶川臙脂(おけがわえんじ)」と呼ばれ、高い品質の紅花としてその名を知られていました。
 この土蔵は、紅花商人によって1836(天保7)年に建てられたもので、天保の飢饉で困窮した人々に仕事を与える「お助け蔵」として建てられたと伝えられています。

 三階建ての土蔵から中山道をそのまま北上すると、右手に蔵造りの建物が見えてきます。
 明治初期に建てられた商家で、かつては米や麦を扱う問屋を営んでいました。

 蔵造りの商家をさらに北に向かうと右手に、桶川宿本陣跡(埼玉県指定文化財)があります。写真中央の門が、その入り口です。本陣とは、大名や公家が宿泊する家のことをいいます。(2006年6月4日撮影)

■参考資料
『中山道桶川宿ガイドブック』桶川市商工会女性部、桶川市観光協会、1999年
『中山道桶川宿歴史再発見マップ』桶川市商工会婦人部、1999年
『埼玉県の歴史散歩』埼玉県高等学校社会科教育研究会、山川出版社、2005年

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コメント 4

しずか

はじめまして。
merryさん、ラメールさんと共に「功名が辻」共同ブログを書いているしずかと申します。
この度はブログへの訪問とコメントありがとうございました。
PIROSHIさんのブログはまず写真が充実していますね。
これからゆっくり記事の方を拝見させていただきます。
今後もお付き合いよろしくお願いします。
by しずか (2006-07-21 20:55) 

merry

桶川宿の記事を読ませていただきました。
私の住む町「守山市」も中山道の宿場町で、似たような建物があります。
とても親しみを感じました。
by merry (2006-07-21 21:09) 

i-shinkuro

>しずか樣。ご訪問&コメントありがとうございます。写真については恐縮しております。
共同ブログというのはとても面白い取り組みですね。コメントに対する受け止め方もメンバーによって変わってくるかもしれませんし。

これからもよろしくお願い致します。
by i-shinkuro (2006-07-21 21:23) 

i-shinkuro

>merry樣、記事を読んでいただきありがとうございました。
守山は、江戸に向かって草津の次の宿駅ですね。
滋賀県(近江)は東西交通の要衝ということもあり、歴史的な見どころがたくさんあってうらやましい!です。城址もたくさんありますし・・・。 
守山宿跡もぜひ一度見てみたいのですが、草津宿跡にも興味があります。
by i-shinkuro (2006-07-21 22:33) 

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